⑦ 論文の解説 群比較は明確に分けて説明する

今回は論文の紹介の仕方について。愛着障害についての論文紹介部分です。まずは下記を読んでみてください。 

 

************************ブラッシュアップ前***

メンタルヘルスにどんな影響?

ここで、具体的に愛着の問題点を調査した研究を報告しておきます。私たちは、愛着関係をもとにして様々な対人関係や社会生活を営むため、愛着が社会的な適応などに影響するという結果を示唆した研究がいくつか報告されています。

(やや表現が学術より)

大学入学時の適応との関連性を調査した丹羽(2005)の研究では、大学1年生628名に調査を実施しました。親などとの重要な他者と情緒的に支えられているがどうかという不安を示す、愛着不安の高い群と低い群に分けました。その結果、愛着不安の高い群と低い群のどちらも大学入学という環境移行期の対人関係不安が高く現れます。そして大学に慣れてくる3ヶ月経過後には、対人関係不安得点が低下する結果が示されました。

(研究デザインが複雑に見える 群を箇条書きなどで分けたほうが良い。時系列を文章化する場合もメリハリをつけるとよさそう)

 

しかし、愛着不安が高い群は低い群に比較して、入学直後・3ヶ月経過後高い対人関係不安を示しています。3ヶ月経過後で、低い群の入学時期の得点にやっと近づいています。

*川島の視点

内容はすばらしいと思います!っが残念ながら見せ方はもう少し工夫が必要です。群比較や結果は箇条書き、ラベリングをして小見出しでメリハリをつけると見やすくなります。スマートフォンユーザーは集中力は6割ぐらいで文章を読んでいる方がほとんどです。文章を作るときは、なるべくシンプルに、かつブロックごとに意味を明確に分けて記載することがコツです。

 

*******************ブラッシュアップ後

 

ここで、具体的に愛着の問題点を調査した研究を報告しておきます。丹羽(2005)は、大学1年生628名を対象に、「大学入学時の対人関係不安と愛着不安」について調査を実施しました。

具体的には、
・愛着不安高い群
→親などとの重要な他者と情緒的に支えられていいない愛着不安の高い群

・愛着不安低い群
→他者から情緒的に支えられてる愛着不安の低い群

に分け、それぞれ大学にうまくなじめているかを調査しました。その結果は以下のような特徴があることがわかりました。

①入学時に不安が大きい
愛着不安高い群のほうが低い群より対人不安が強い。愛着不安がある人は、入学時に友達ができるか?という不安が大きく、愛着不安が少ない方は、友達ができてうまくやっていけるという感覚を持っていると解釈できそうです。

②3か月後も不安の大きさは継続
どちらも対人関係不安は下がるが、愛着不安が高い群は高い対人関係不安を示しています。得点としては3ヶ月経過後で、やっと低い群の入学時期の得点にやっと近づいています。